An Empirical Study of the Characteristics of “Inochino-Denwa” : The Caller-Worker Relationship by a Modified Grounded Theory Approach

面接相談とは異なった心理的援助活動であるといわれる「いのちの電話相談」における一回限りのやりとりを「事例」として捉え、そこでのコーラー・相談員の関係性に焦点をあてて分析することで「いのちの電話相談」の特質を実証的に明らかにし、面接相談との違いとその役割を考察した。分析には、筆者が直接対応した相談電話64件を対象データとし、木下（2003）が提唱した修正版グラウンデッド･セオリー･アプローチを用いた。コーラーは、「今の心の危機」を納めるために電話をかけてきて、そこでコーラー・相談員が作り出す関係は、〔問題解決対話関係〕、〔モノローグ語り手・聞き手関係〕、〔演者・観客関係〕であった。面接相談の役割は治療契約関係を通してクライアントの一定期間続いている心の危機に対して心理的援助をするのに対して、「いのちの電話相談」の役割は甘えの関係を通してコーラーが「今の心の危機」に納まりをつけられるように心理的援助をすることであろう。いのちの電話グラウンデッド・セオリー・アプローチ電話相